実行委員長メッセージ
第19回 Japan Endovascular Symposium 開催にあたって

今年も8月24日(土)、25日(日)に完全オンライン形式で血管病の最先端を討議するJESを開催します。私が米国から帰国した2006年に始めたJESも今年で第19回目になります。
コロナ騒動はすでに過去のものとなりましたが、これを好機としてJESは変貌を遂げました。騒動初年の2020年は緊急避難的にオンライン形式としましたがこの開催方式が多忙の先生方にとってベストである事が判明しました。それは視聴者数の増加と、参加者アンケート回答からも明らかでした。
今年の見どころは、是非以下の動画も見て頂きたいと思いますが、JESの真骨頂である失敗反省症例を皆さんに提示してもらい、「賢者は歴史に学ぶ」、他人の失敗から学び、同様の事を繰り返さないようにするという考えを軸に組んでおります。人様に隠したいような反省症例を勇気と使命感を持って発表してくれる演者には感謝します。その他にいくつものHot Topicsのテーマ、シンポジウムを予定しております。
まずは、初日の午前中からお昼にかけては、日進月歩の進化を遂げている大動脈解離について深掘りします。その後は静脈セッションです。近々、静脈ステントが承認されるということで、静脈セッションもいつもよりも力を入れています。Newデバイスとしては血栓吸引デバイスが承認されましたので使用のコツが学べるセッションを設けました。また、若手の先生方の声を反映し、腹部大動脈瘤ステントグラフトのデバイス選択方法について、バイアスのかかる共催セミナー形式ではなくJES独自のシンポジウムとして組みましたので各デバイスの長短の本音が聴けると思います。初日の夕方には、ハートウォーミングな話題として慈恵で牛心膜パッチを用いて手術をした女子トライアスロンオリンピック選手が文字通り「血と汗と涙」の体験談を語るセッションを企画していますのでハンカチを用意してください。
二日目は、毎年恒例の飯田修先生の末梢血管病の最新情報とランドスケープが把握できる1時間の講演で始まります。毎年申し上げている事ですが、これを視聴すれば当面の間、PADの勉強をする必要はない、というJESの目玉商品です。続いてPADセッションを用意しましたので、PADを学びたい方は是非、日曜日の午前中は早起きでお願いします。そして、PADセッションの最後は血行再建不能虚血肢を前に打ち拉がれる我々にとって福音となるかもしれないアフェレーシスの最新データを紹介し、「大切断の前にレオカーナ!」の真偽を問います。そして、JESの最後の目玉は何といっても弓部大動脈瘤のシンポジウムです。慈恵医大・血管外科で開発しコツコツと行ってきたRIBS法が全国の基幹施設へと普及しはじめパラダイムシフトの予感がしていますが、「ご当地RIBS」セッションでその再現性と真価を検証します。
日循やJETなどでは英語化、国際化が積極的に推進されていますが、それはそれで有意義で否定しません。しかし各学会にはそれぞれ特有の役割分担があります。JESの目的は国際交流や英語教室ではなく、あくまでも参加者への有益な情報提供と真剣な討議を通じての理解の深化です。日本人同士でおぼつかない英語でディスカッションしても議論が深まりませんし、発言を遠慮する人もいるでしょうからJESでは過去19年間、外人演者すら招待せず、ずっと日本語onlyの姿勢を堅持してきましたがその基本姿勢は今年も変わりません。ただ、今年は例外的に私の盟友でありドイツ血管外科学会元会長のDittmar Bocklerを招請しましたが英語セッションはこの1時間だけです。また、すべてのセッションは視聴者と双方向のオンライン設定で誰でも議論に参加できますので遠慮せずに異論・反論をぶつけてほしいです。そして、例年通り、二日間で延べ20時間、全セッションの司会をトイレ休憩もとらずに私が務めます。これにより一定のバイアスがかかってしまうことは否めませんが、お行儀の良い学会と違い、本音トークで真相に迫り、スパイスとウィットをきかせて退屈させないエンタメ要素のある20時間とします。
今年もみなさんの利便を考慮し土曜日、日曜日に開催しますので、仕事、当直、家事の合間に興味のあるセッションを存分に視聴していただければ幸いです。
参加費は今年も500円で、2日間、20時間が堪能できるワンコイン学会で、コスパ世界一間違い無いでしょう。皆さんが多く参加してくれることで、スポンサーから協賛を得ることができ、そしてそれをこのワンコインという形で還元できるわけですので「help me to help you」の精神で多くの皆さんにJESに参加していただきたいと願っています。
コスパが高く利便性の高いオンライン形式で、皆さんのWLBを損なうことなく価値ある最新情報を日本語でエンタメマインドも忘れることなく発信するJESの社会貢献と真骨頂を今年もぜひご堪能ください。
第19回 ジャパン エンドバスキュラー シンポジウム (JES 2024)
実行委員長 大木 隆生
東京慈恵会医科大学 外科学講座
血管外科教授
https://twitter.com/Ohki_TakaoMD


